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「おまっ!!!」
俊は思わず叫んでしまった。
「あ・・あの・・・・いい・・今の・・聞かなかったことに・・」
蘭世は慌てて手を離すとベッドに走っていき、もぐりこんだ。
・・・どうしよう・・どうしよう・・・変なこと言っちゃった・・・
心臓の音が離れていても聞こえてくるくらいだ。
・・・呆れちゃうよね・・・きっと・・・も〜ぅ・・私のばかばか・・・
ブランケットの下の真っ赤になって困り果てた蘭世の表情もわかる。
俊は、後悔した。
蘭世に、言わせてしまったことに。
・・・江藤・・・・
決めたように俊はゆっくりと、しかししっかりとした足取りでベッドへと向かった。
・・・え・・?・・
蘭世の戸惑いが俊に届く。
・・・え?・・え?・・・・
それにもかまわず俊は近づく。
「江藤・・・」
俊が近くに来ているのを感じる。
「・・いいのか・・・?」
ブランケットが揺れた。
・・・怖い・・・けど・・・・
「いやなら・・言え。」
俊の手が布をつかんだ。その手に蘭世の手が重なる。
・・・もう・・とまらない・・・・
欲しかった。
彼女が。
何度も、想像の中で、彼女を抱いた。
一度きりの、夜を思い出して。
彼の腕の中で。
何度と無く眠りたいと願った。
私を抱きしめてくれるあの大きな心をもったあの腕で。
温かいぬくもりを感じながら。
ブランケットの下の蘭世は、恥じらい、眼を伏せていた。
「俺を・・・見ろ・・・」
俊が囁く。
ゆっくりと瞳を上げるとそこには俊の視線がぶつかる。
「真壁くん・・・・」
少しづつ近づく視線、蘭世は眼を閉じた。
唇に、暖かいぬくもり。
そして、熱い息。
が、隙間から絡まってくる。
触れるだけの口付けから、少しずつ舌を絡ませる。
脳天がしびれるような甘さがそこから流れ込んでくる。
「・・ぁ・・・・」
ほんの小さな吐息にも似た声が、上がる。
その声を奪おうというようにまた舌を絡ませ、吸い上げる。
「んん・・・・」
どちらの声かもわからないほどの声が聞こえる。
そして、溶けていくような感触。
「は・・ぁ・・・・」
俊の手が蘭世のバスローブの腰紐をほどいた。
「や・・・・」
恥ずかしさのあまり、眼を開けることなど出来やしない。
純白のそれに包まれた蘭世の肢体が透けて見えるほどの衣。
俊は一瞬眼を奪われる。
「・・・・・きれいだ・・・」
思わず口をついて出た。緊張しきった蘭世の耳には届かなかったけれども。
・・・俺の・・・・だ・・・
俊の中に湧き上がるなにか。
・・・・俺が・・・守る・・・すべてだ・・・・・
決して蘭世には聞こえないだろうけれども。
あらためて俊は誓う。
守り抜く。
彼女だけを、生涯かけて。
俊の手が蘭世の頬に触れる。
ピクンと身体をびくつかせる蘭世。
「怖いか・・?」
俊は怖かったのだ。
壊してしまいそうな自分が。
聞いたのは蘭世にではない、本当は自分。
「ううん・・・・」
蘭世は眼を閉じたまま答えた。
「真壁くんとなら・・・怖くない・・・」
その言葉。
俊の手が蘭世の衣を滑っていく。
布越しに触れる蘭世の身体はそれとわかるほど、暖かい。
「・・ぁ・・・」
少しづつ、丹念に、蘭世を探っていく。
いや、互いを知ろうと触れていく。
胸元に結ばれたリボンをしゅるっと解く。
その隙間から俊の手が入り込んだ。
「は・・・ぁ・・・」
可憐な乳房がふるふると震え、手触りは絹と変わらないほどすべらかで。
俊の手にすっぽりと納まってしまうほど。
やさしく、触れ、そして揉みしだいていく・・・・・。
「・・ぁぁ・・・」
最初はほとんど感じられなかった頂点が俊の手の中でみるみる輪郭を著してくる。
指先でその硬くしこったそこを摘んでみる。
「あん・・!・・」
違った甘い声が唇からこぼれてくる。
俊はもう片方へも手を触れてみる。
そこはまだ、触れてもいないのに輪郭を著していた。
俊は唇でそれを挟んでみる。
「んん・・・」
蘭世の身体が顕著に反応を示す。
俊はそのまま舌先でそれをなぞる、形に添うように。
「ぁぁ・・んんん・・・」
摘まれるそれとぬめる感触が蘭世の身体を熱くしていく・・・・・。
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