新婚さんの夜のお散歩
ある暑い夏の夜、遠くから祭囃子の音がここ真壁家にも届いていた。
何日か前に回覧版で夏祭の案内が廻っていたことをふと蘭世は思い出していた。
・ ・・お祭りかぁ、楽しそうだな・・・
そんな事を考えていると、ふと俊が
「いくか?」
「え?」
「そんな顔してるぜ?」
心を読むまでもない、蘭世の表情はとても素直に俊には映る。
「うん!!でもちょっと待っててもらってもいい?準備してくるから」
ぱたぱたとスリッパの音を立てながら寝室へ走っていく。
準備って・・?そのままいけばいいんじゃねぇか・・?
などと思いながら待つことしばしの俊であった。
なんだかんだいっても蘭世には弱いのである。
「お・ま・た・せ」
「お・・・前・・それ?」
「へへっ、似合う?」
「・・・・・・何時買ったんだ?」
「内緒よ」
薄い藍色がさしてある朝顔のゆかたをはおり、それにあわせて
さっきまで下ろしていた黒髪をアップにまとめていた。
うなじの後れ毛が人妻の色気を漂わせている。
手にはごていねいに巾着まで抱えている。
「あなたのもあるのよ?」
「おれは・・・この次にするよ、早くいかないとおわってしまうだろ?」
「そうね。分かったわ、でもこの次は着てね?」
「ああ」
二人は外に出ると祭り囃子の聞こえる方へと歩き始めた。

蘭世はそぉっと俊の腕に手をかける。
「さすがに夜はまあ涼しいな・・・」
「だいぶ秋も近くなっているのかしら?」
「そうだな・・・」
他愛もない話をしながら二人はお祭り会場へついていた。
そこはまだ、お囃子や太鼓や踊りなど、最高に盛り上がっている
時であった。
屋台を冷やかしたり、空気銃を打ったり、ヨーヨー釣りをしたりと
大いに楽しんだ。
「きゃーおしい!!」
「よし!!あれだ」
「やったー!!すごーい」
あっという間に時間は過ぎ、お開きになる時間が近づいていた。
「そろそろ帰ろうぜ」
「あー、もうそんな時間なの?」
二人はきた時と同じ道をたどりながら帰ろうとしたが、ふと思いついて
来る時とは違う道を歩き始めた。
人通りの少なく音も殆ど届かない静かな闇が広がっていた。

・ ・・ゆかたって・・・あれだよな・・・確か・・・
下着付けてないんだよな・・・
俊はふと思う。
・ ・・めったに見れないな・・こんな姿・・・
・・帰り道ではもう我慢するだけで精一杯になりそうだよな・・・
人に酔ったようで、蘭世の足取りは緩やかで頼りなかった。
「大丈夫か?」
「うん、平気だよ。人がいっぱいだったからそれだけよ」
「つかまれよ?」
「ありがとう」
蘭世は俊の腕にしがみついた、俊の腕にゆかた越しの蘭世の胸の
膨らみがあたる。
・ ・・こいつ・・・上もつけてねぇのか・・・
顔が紅潮するのを気取られなくてよかったと心底俊はこの闇に感謝した。

「きゃっ」
「危ない!!」
履きなれない下駄の為、蘭世は転びかけた。
「ったくもう・・大丈夫か?」
「う・・ん・・・平気・・」
「ちょっとそこでも座れよ」
夜遅い公園のベンチに二人は腰掛けた。
街灯はほとんどないこの公園で二人の姿は殆ど分からない。
「ごめんね。迷惑ばっかりで・・・」
「いいけどな、めったにみれねぇもんも見せてもらったし」
「え?ゆかたのこと」
俊は無言で頷く。その目は似合ってるぜと言っている様にも見えた。

暗闇の公園、聞こえるのは木々がこすれる音ばかり、
「静かね・・・」
蘭世がつぶやく。
「寒くねぇか?」
「大丈夫・・・よ・・・」
俊の左腕が蘭世の肩を抱き寄せ、その唇は間違うことなく彼女の唇を奪っていた。
「・・・ん・・・んんん・・・」
いきなりのことで蘭世はびっくりしながらも受け入れていた。

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